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金属取引に法規制?レニウムに輸出規制がかかる理由とその背景

輸出に法規制が設けられるものとして、どのようなものが挙げられるでしょうか?
戦略資源となるもの、菌の繁殖率の高いものなどといった、人間に害を及ぼすものが規制されるイメージを抱かれる方が多いと思います。
その中で、発見する確率が低いレニウムという金も輸出に制限がかけられています。
今回は、その背景と理由をご紹介していきます。

レニウムの経緯

希少性が極めて高い、かつ輸出制限までかかるレニウムどのような経緯をたどってきたのでしょうか?

工業化以前

レニウムの発見は、工業化以前まで遡ります。
1925年、ドイツでノダック夫婦とベルグによってレニウムは発見されました。
75番目の元素として登録された「レニウム」という名前は、ライン川からとられました。

工業化から現在

発見後、融点が3000度という特性から、耐熱性のあるレニウムは様々なところで使用されました。
1970年代からは、ガソリン製造と石油の品質改良の物質として使われました。
その後は、アメリカとソ連を中心に航空機やジェット機製造の材料としても使用が開始されたのです。
しかし、1992年のソ連解体により、政府が所有していたレニウムが市場に流入しました。

これにより、レニウムを使用した製品の製造が活発化して、利用がより一層増大しました。
ところが、2009年頃、世界不況が起こったため航空機の需要が下がってしまったのです。
また、レニウムを輸出していたカザフスタンが供給を停止したため、需要が上回り価格が急騰しました。
そして、現在、採掘量も少なく滅多に見つからない貴重な鉱石として存在しているのです。

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輸出制限をかけられた理由

輸出制限がかけられたのは、2014年とつい最近の出来事です。
以前は、活発に取引されていたのにもかかわらず、なぜ輸出規制がかけられたのでしょうか?
主な理由は、レニウムは兵器製造に利用される危険性があるためです。
航空機製造ができれば、軍用機製造を行うこともできるのです。
また、ミサイル製造も可能なので、レニウムは戦略資源としての特性も持っていたのです。

実際に、択捉島でレニウムが発見されたことから、ロシアが戦力拡大のためにレニウムを生産する可能性があるという報道がなされました。
よって、主に大量破壊兵器の拡張防止の観点から、経済産業省は「輸出貿易管理令」の一部を改正し、レニウムに輸出制限を設けました。
このことから、レニウムは希少価値があるだけではなく、高い危険性も持つ物質があることがわかります。

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おわりに

経済産業省の許可が下りなければ輸出できないことからも、レニウムの希少性はさらに高まったとも言えます。
このように、多くの歴史と特質をもつ貴金属は、レニウムのみとは限りません。
皆さんの身近にも潜んでいるかもしれないのです。
自分が持つ金、金属に一体どんな特質があるのか知りたくはありませんか?
是非、当店で査定して皆さんの金属が持つ性質を調べてみてください。
ご来店お待ちしております。

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