イリジウムは本当に危険なのか?イリジウムの危険性について
携帯電話や太陽光電池など日々の私たちに欠かせないものに使用されているイリジウム。
しかし、物事には裏表があるように、イリジウムにも人体に影響を及ぼす、大きな危険性を持っている場合もあるのです。
今回は、イリジウムがもつ危険性をご紹介していきます。
イリジウムが持つ危険性
私たちの生活用品から人工衛星まで、幅広く活用されるイリジウムは、ある危険性を持っています。
それは、放射線です。
天然資源のイリジウムにはその特性はありませんが、人工的に作られた「イリジウム192」はその取り扱いを間違えると、大きな被害をもたらす性質を持っているのです。
「イリジウム192」は、非破壊試験に利用するために、放射線を当てて作られました。
よって、使い方を誤ると人体に多大なる影響をもたらしてしまうのです。
しかし、それにも関わらず、実際に使い方を誤ってしまった事例があります。
次は、その例を見ていきます。
イリジウムによる事故の例
中国での持ち出し事故
まず、「イリジウム192」による事故があった例として、中国が挙げられます。
2014年5月7日、作業機械における「イリジウム192」が紛失し、その場で働いていた作業員が放射線障害を受けてしまいました。
作業員曰く、現場の作業機械の不具合で回収容器に入れられなかったイリジウムを「貴重品」だと思い、持ち帰ったとのことでした。
同じ現場にいた他の作業員も、それに気づかなかったようです。
すぐに捜索が開始されましたが、非常に困難でした。
放射線を出している大粒の大きさのものを、草むらから探さなければいけなかったからです。
捜査局は、人海戦術を用いながら捜索し続け、ついに発見することができました。
このように、「イリジウム192」と認識しないまま扱いを誤ったため、障がい者を生み出してしまう結果となってしまったのです。
日本で被ばく事故
日本で実際に大きな事故を起こしてしまったこともあります。
千葉市の造船所で、男性が細いステンレス製の鉛筆型の棒を拾い、ポケットに入れて下宿先に持ち帰りました。
すると、下宿先に来た5,6人の男性のうち2人が被ばくしました。
そのうち、男性一人は右手に潰瘍を患い、22年後に病原体が広がったことで2本の指を切断する結果となりました。
もう一人は、食欲不振と嘔吐を起こす急性放射線症を引き起こしました。
その後は、貧血や白血球、血小板の減少が見られましたが、順調に回復傾向へと向かいました。
この事例で、「イリジウム192」を触っただけで、どれだけ重い症状を引き起こしてしまうのかが予想できますね。
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おわりに
イリジウムは、とても便利で、多くの製品に用いられています。
しかし、同時に恐ろしい危険性を持っていることもわかりました。
皆さんの身近なものにも、もちろん被ばくなどの危険性はありませんが、イリジウムが混じっていることは多いです。
イリジウムは買取対象の金属ですので、当店にて査定を受け付けております。
お問い合わせお待ちしております。
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