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インジウムは危険?インジウムがもつ危険性について

テレビや太陽電池などに使われている透明導電膜を作るために使用されているインジウム。
このインジウムには危険が溢れていることを皆さんご存知でしょうか?

大抵の人はインジウムを取り扱うことはないでしょう。
しかし、インジウムは私たちの生活と深い関係があります。
そこで今回は、インジウムの危険性についてご紹介します。

インジウムは安全?

インジウムはスマートフォンのタッチパネルや液晶テレビの液晶ディスプレイなどに使われているレアメタルの一種で私たちの生活には欠かせないものとなっています。
このインジウム、昔は十分な資料がなかったため安全だと思われていました。
しかし、2001年にインジウムが原因で死亡事例が発生し、この事例をきっかけにインジウムの毒性が認識され始めました。

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インジウムによる死亡事例

報告された死亡事例は28歳の男性で「ITO(酸化インジウムスズ)」を使用した研磨作業を数年間している方でした。
働くにつれて呼吸困難、食欲低下、10ヶ月で10㎏の体重が減り病院に行ったところ間質性肺炎と診断されました。
X線分析によってITOが原因だとわかり、ステロイドによる治療を施しましたが、2001年4月に死亡しました。

インジウムの毒性

動物実験による検証

ラットを、用いてインジウムの毒性について実験が行われました。
これによると、やはりインジウムによりラットは重度の肺障害や肺炎、肺腺がんなどの症状が見られました。

人間への毒性

動物実験でインジウムの危険性は証明されましたが、人間の場合は「長期間にわたってインジウムの粉塵を吸引すること」が原因となります。
スマートフォンやテレビなどの私たちが当たり前に使っているものにもインジウムがつかわれていますが、触れることができる場所にはなく、直接触っても人体への影響はありません。

厚生労働省の対応

インジウムでの死亡事例を受けて、厚生労働省が2010年12月22日に「インジウム・スズ酸化物等の取扱い作業による健康障害防止に関する技術指針」を通知して対応しました。
この通知によってインジウム・スズの具体的な取り扱い方法が定められました。
また、2013年にはインジウム化合物は「特定第2種物質」に指定され、インジウム化合物を扱っているところでは定期的な健康診断、作業環境測定などが行われるようになりました。

関連資料(厚生労働省サイト)
インジウム・スズ酸化物等の取扱い作業による健康障害防止に関する技術指針

まとめ

今回はインジウムの危険性についてご紹介しました。
インジウムは加工する際には注意が必要で最悪の場合死んでしまうとても危険なものです。
しかし、私たちの生活には欠かせず、粉塵として吸引しない限り体に悪影響はなく、適切に使用すれば安全なレアメタルです。
このように危険な金属もあれば、金やプラチナなどのようなアクセサリーに使用される美しいものもあります。

K.G.B.(神戸ゴールドバンク)では、様々な種類のレアメタルの買取を行っています。
買取を希望されている方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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