貴金属買取の豆知識 bits of knowledge

ルテニウムの概要と買取相場

ルテニウムは、とても希少な金属の一つです。
そのルテニウムの売却を希望されている場合、価格相場や用途などを知って、できるだけ得するために知識を蓄えようとされていることでしょう。
そんなルテニウムに興味のある方に向けて、ルテニウムとはどのような金属なのかの概要や主要産出国、価格相場などをご紹介します。

ルテニウムとは?

ルテニウムとは、白金族金属中もっとも希産で、地球上の存在量は少ないとされる金属です。

単体では銀白色で、もろくて粉末になりやすい特徴を持ちます。硬くて脆い銀白色の金属で、腐食を受けにくく、比重が大きいのが特徴です。これらの特徴は白金と似ています。また、ルテニウムは白金と共存していることが多い元素です。よって、ルテニウムは白金族元素と呼ばれています。

ルテニウムには六方晶系と等軸晶系があり、六方晶系の融点は約2500℃で、等軸晶系は約3700℃です。
六方晶系とは、結晶系の一つで、形は六角柱が基本となるものです。水晶などが代表的です。等軸晶系は立方晶系とも呼ばれる結晶系の一つで、結晶軸の長さはすべて等しく、結晶軸のなす角はすべて直角という、最も対称性が高い形です。例としては、岩塩、ダイヤモンド、金、鉄、アルミニウムなどの結晶の形が挙げられます。ルテニウムはどちらの結晶系も持つというわけです。

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●ルテニウム発見の経緯

ルテニウムはロシアのラテン名「Ruthenia(ルテニア)」に因んだものです。

1828年にロシアの化学者オサンが、ウラル山系産の白金鉱中に新元素を発見し、ルテニウムと名付けました。しかしこの時点では、新元素を含んではいても、非常に不純な酸化物だったため、後の1844年にロシアのK.クラウスによって、イリドスミンの中から金属単体として単離されたといわれています。イリドスミンとは、イリジウムとオスミウムとの合金です。

●資源としてのルテニウム

ルテニウムは、副産物としてイリドスミンから回収されます。しかし、含有量はほんのわずかであり、精製も容易ではありません。

例えば南アフリカやロシアの鉱山から、プラチナの採掘と同時に、ルテニウムが副産物として得られます。

ルテニウムは、このようにプラチナ鉱石から副産物として得られるため、生産量を増やすのは困難であることか、供給量を増やすのはむずかしい金属なのです。

ルテニウムの用途

ルテニウムの用途を見ていきましょう。

●パラジウムや白金との合金として

ルテニウムは、白金やパラジウムの硬化元素として用いられます。例えばパラジウムとの合金や白金との合金は装飾物や電気接点材料に用いられることもあります。

●万年筆のペン先として
またオスミウムとの合金は、その硬さを活かして、万年筆のペン先などに使用されています。

ルテニウムの価格相場

ルテニウムは、2007年頃に価格が10倍以上に急騰しました。その背景には、パソコンやDVD用のハードディスクを作るのにルテニウムが使われるようになったことが挙げられます。

その後、高止まりのまま価格推移したものの、現在ではリサイクル法が確立されたことから、需要の増大は見込めないでしょう。そのため、価格の高騰も見込みにくい状況です。

2019年3月時点のルテニウムの価格相場は、1,000円前後を推移しています。

ルテニウムの買取相場

ルテニウムを売却したい場合、気になるのが買取相場です。

ルテニウムは、一般的に他の貴金属と比べ買い取り相場は、相当低い金額で推移しています。

2018年10月時点ですが、他の貴金属と比べると、半分から5分の1程度の金額で買い取られているのが現状です。

●買取相場(1グラム当たり)

金:4,000円台半ば
プラチナ:3,000円前後
パラジウム・イリジウム:4,000から5,000円台後半
ルテニウム:1,000円前後

まとめ

ルテニウムは、パソコンやDVD用のハードディスクを作る用途のほか、ペン先にも使われています。貴重な金属のため、自宅で眠っている場合には、ぜひ日の目を見させてあげてはいかがでしょうか?

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